イギリスの返品文化はすごい

イギリスに住んでいた時、引っ越しを機にベッドマットレスを新しく購入したことがあった。夫が腰が痛いと言うので普通のマットレスと低反発マットレスが一体になったタイプを18万円くらいで買った。引っ越し日に合わせて新居にマットレスを配達しくれるようお願いした。

配達にやってきた新品のマットレスはビニールシート1枚に包まれているだけで、日本人の私からしたら18万の割には随分シンプルな梱包だなと思った。案の定、ビニールは輸送中に移動したり引きずられたりしてボロボロで、大きな穴が開いているも部分があった。マットレス自体もかなり汚れてしまっていた。     
夫は配達員さんに「せっかく配達してもらったマットレスだけど、梱包に穴が開いていてマットレスの角や側面の汚れが結構ひどいので新しいものに替えていただくことは可能ですか。」と聞いた。

    
配達員さんはちらっと確認して「あぁ、本当だ。ではまた後日新しいものを配達します。」と言って持ってきたマットレスをまた持ち帰った。私はイギリスって返品が簡単にできるんだなあ、と感心した。


その日の夜、ベッドがない私たちは床の上で寝た。腰の痛い夫はちょっとかわいそう。痛くない私でもつらかった。。。

数日後交換された新しいマットレスが再配達された。


・・・梱包ビニールシートには穴が開いていて、マットレスは汚れていた。
・・・夫は申し訳なさそうに同じリクエストをした。
・・・配達員さんは no problem な感じで再び持って帰って行った。
イギリスの返品システムって本当に寛大だった。長々説明する必要もなく簡単にほとんどのものが返品対象になっていた。消費者が守られているっていうのか。そのシステムを悪用するモラルのない人もいるから注意しなきゃいけないけど。


さらに後日再々交換された新しいマットレスが再々配達された。
・・・梱包ビニールシートには穴が開いていて、マットレスは汚れていた。


・・・夫は、再々再度び返品をお願いし、配達員さんは全くOKという感じで持って帰ろうとしたが、夫はもう腰が痛くて我慢できないので、やっぱりそのまま受け取ることにした。
もう床には寝続けたくない・・・。夫はそのまま受け取って自分で汚れをきれいにし、消毒して使った。

何個持ってきてもマットレスが結局全部配達中に汚れちゃうシステムを気にしないことも、それを何度も返品する夫も私から見たらすごいが、一番すごいと思ったのは3回返品を申し出られても平然と受け入れ、まったく気にしないイギリスの返品文化だった。